観葉植物としてのサボテンの魅力が注目される中、初心者の方でも簡単に始められるサボテンの育て方についてご紹介します。
サボテンはその独特な外見と育てやすさで、インテリア植物として人気を集めています。
この記事では、サボテンの歴史や由来から始まり、さまざまな品種や特徴をご紹介。さらに、サボテンの健康な成長を促すための基本的なお手入れ方法、例えば水やりや肥料の与え方、植え替えのタイミングと方法などを詳しく解説していきます。
サボテンを新しく育て始める初心者の方や、これからサボテンの世界に足を踏み入れようと考えている方に最適な情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてみてください。
「サボテン」ってどんな植物?サボテン基本情報
サボテンは、別名「シャボテン」とも呼ばれ、和名では「仙人掌(せんにんしょう)」や「覇王樹(はおうじゅ)」と称される植物です。
サボテン科に属し、アメリカ大陸や中南米が原産地です。乾燥した砂漠や高温の環境に適応しており、栄養と水分を茎や根で蓄積する特徴を持っています。
サボテンの形状は多岐にわたり、球形から平たい形、さらには巨大な種類まで存在します。
顕著な特徴の一つは、表面を覆う鋭いトゲです。
これらのトゲは、葉が変形したもので、「刺座(しざ)」や「アレオーレ」という白い綿毛状の器官から生えています。
サボテンは多肉植物の一種ですが、この刺座を持つことがサボテン科に属する植物の特徴です。
他の多肉植物には刺座がないため、サボテンは他の多肉植物とは区別されます。
サボテンの歴史と名前の起源
サボテンの歴史と名前の起源由来についてみてみましょう。
サボテンの名前は、日本独自の呼称です。
中南米原産のサボテンは、16世紀末から17世紀にかけて、貿易を広げていたポルトガル人によって日本へもたらされたとされています。
当時、ポルトガル人は平たいウチワサボテンを用いて、その樹液を石鹸のように使っていました。
このことから「石鹸体」と呼ばれるようになり、これが変化して「シャボテン」という表記になったと言われています。
1960年代までは「シャボテン」という表記が一般的でしたが、現在では「サボテン」とも呼ばれています。
一方、英語圏では「Cactus(カクタス)」と呼ばれています。
この言葉は、古代ギリシア語の「カクトス」という単語がラテン語の「Cactus(カクトゥス)」に影響を受けて生まれたもので、棘がある植物を意味しています。
サボテンの品種や特徴
サボテンの種類は多岐にわたり、様々な形や特徴があります。ここでは、人気のあるサボテンの品種や特徴をご紹介しましょう。
■ ウチワサボテン
ウチワサボテンは、その名の通り平たくて団扇のような形をしています。この品種は日本で「シャボテン」とも呼ばれ、食用としても利用されています。
代表的な品種には、小さくて可愛らしい「金烏帽子」、寒さに強い「大丸盆」、トゲが少ない「墨烏帽子」などがあります。
■ 柱サボテン
直立して伸びる柱状のサボテンです。形状は直線状、数股に分岐するもの、地面を這うタイプなど多様です。
有名な品種には、丸いフォルムが特徴的な「白雲閣」、凸凹が特徴の「福禄寿」、白い綿毛で覆われた「幻楽」などがあります。
■ 玉サボテン
球状のフォルムで愛らしい玉サボテンは、日光が当たる面積を小さくして水分を多く蓄えることができます。
比較的病気にかかりにくいとされ、トゲの短い「短毛丸」は美しい花を咲かせます。
■ 紐サボテン(森林サボテン)
細長い茎が特徴的で、夜に花を咲かせる「月下美人」や、色とりどりの花が特徴のシャコバサボテン(クリスマスカクタス)、着生植物として人気のヤドリギサボテン(リプサリス)などがあります。
■ コノハサボテン
葉があるように見えるサボテンで、サボテンの原種とされています。葉の付け根や枝にトゲと刺座があるためサボテンの仲間です。
白い花を咲かせる「杢キリン」が有名です。
サボテンは耐寒・耐熱性が高いが、湿度に弱い
サボテンは耐寒・耐熱性が高いという特性を持っています。
砂漠や高地などの厳しい環境に自生しているサボテンは、日中の高温から夜の低温まで幅広い気温変化に対応できる構造をしています。
一般的には、最高気温が40度程度まで、また最低気温が5度程度まで耐えることが可能です。
しかし、サボテンは乾燥環境に適応して進化したため、湿気の多い環境は避けるのが理想です。
氷点下の気温には耐えられないので、冬季には5度以上を保つ環境での管理が推奨されます。