第二回公判で、検察側の証人として登場した神崎ドグマ、本名・徳間昇は証言台に立つわ。
検察は高宮殺害の前に美智留が「あなたの敵は誰ですか」と言ったことを確認。
徳間は、自分が犯行を起こしたのは自分の意志だったと訴え、「それで殺人教唆になるなら、多くの人が教唆に問われるべき」と反論。
検察官は美智留との出会いが徳間を動かしたと指摘するが、徳間は美智留の影響で人生の価値を理解したと語り、強制退廷させられちゃうの。
検察が次の証人として武田を呼び出したわ。
心神喪失状態だった武田に対して、美智留によって人生が破壊されたのかどうか聞いてみたの。そして、武田が精神病棟で書いた小説に美智留が大島を殺害するシーンがあるけど、それについてどう思うのかってね。
武田は、その描写は現実だと主張しながらも、美智留は素晴らしい人で、自分を作家以上のものにしてくれたって言ってた。真実はいつでも変えられるって言いながら、彼もまた強制退廷されたの。
第三回公判で、検察は美智留が鷺沼を殺害したとされる監視カメラ映像を証拠として提出したわ。
それで最後の証人、恭子の弟・弘樹が証人台に立ったの。彼は美智留の肩を持つような証言をしたけど、検察官が美智留に不利な発言を引き出して、証人尋問を終了させたの。
そこで、弘樹に、美智留が他人のそら似じゃないかって宝来弁護士が質問したのよ。証人として呼ばれた美容整形の医師は、専門家ならば整形しても本人と認識できるって言って、美智留が整形を受けたことを指摘したの。
それで、宝来は整形前の美智留の写真を示し、医師に確認させたのよ。医師は手術を受けたのが1年前で、大幅な顔の変更を行ったと説明したわ。
美智留が証人台に立ち、宝来が質問する。
「あなたは誰ですか?」と問われた美智留は「野々宮恭子です」と答える。
美智留は恭子として罪を背負うことを考えたが、死刑が怖くて自分は美智留になりきれないと告白する。彼女の真実が問われる中、裁判は混乱する。そして美智留が野々宮恭子の部屋で寝た理由や、彼女が「美智留」を演じ続けることを決めた経緯が明らかになる。
美智留は、彼女が表の世界から消えることなく野々宮恭子として生きるために、自ら顔を変えた事実を隠していた。
二ヶ月後、宝来が記者会見で勝利を宣言する中、テレビを見る美智留は以前とは違う顔をしている。
彼女は一度、恭子の顔に整形し、その後、元の美智留の顔に戻していた。この一連の行動は、自分が恭子として生きるための策略で、最終的には自分の罪を隠蔽するためだった。
美智留が恭子として新しい人生を歩み始めたある日、彼女は麻生刑事と再会する。
恭子はいつも紅茶を好むはずが、この日に限ってコーヒーを選ぶ。麻生刑事はその変化に違和感を抱くが、美智留は軽くその話題をはぐらかし、感謝の言葉を告げてその場を後にする。
終わり。