胡蝶蘭を再び花咲かせるためには、30℃近い室温が株を元気にするのに適しているとされています。温室がない家庭での胡蝶蘭の再開花を目指す場合、「初夏に花を終わらせ、夏に株を元気にし、秋に脇芽を育てる」というプロセスが理想的です。この手順に沿えば、秋から春にかけて再び開花させることが可能です。夏の期間中、週に1回の液体肥料を与えることも株の健康に役立ちます。
胡蝶蘭の鉢の適切な廃棄方法
コチョウランの花を楽しんだ後に枯れてしまった胡蝶蘭の鉢をどう処理するかについての問い合わせがあります。
胡蝶蘭の鉢植えは、陶器の鉢、根と茎の部分、植物が入っていたビニールポット、茎を支えるワイヤーなどから構成されています。これらを一緒に可燃ゴミとして処理することはできません。手間はかかりますが、各パーツを分別し、陶器鉢やビニールポット、ワイヤーなどは不燃ゴミとして、根や茎などの植物部分は可燃ゴミとして処理する必要があります。
胡蝶蘭を長く楽しむコツ
心地よい環境で育てる
胡蝶蘭の長寿と健康のためには、自然環境に近い条件での置き場所と水やりが重要です。
胡蝶蘭にとって適した環境について考えるとき、私が常に感じるのは、その条件が「人間にとって心地の良い環境と大きな違いがない」という点です。
例えば、乾燥していなくて、良好な通気性を持ち、20℃〜25℃の温度範囲に少しの日差しがある環境です。これは、私たち人間が快適だと感じる環境と非常に似ています。ですから、もし自分が寒さを感じたり空気が乾燥していると感じたら、胡蝶蘭も同様に感じている可能性が高いのです。
寒い時は室内を暖め、乾燥している時は霧水を使ってみましょう。
このように考えると、胡蝶蘭のお手入れはそれほど難しくないと思えるかもしれません(水やりは少し手間がかかるかもしれませんが)。
良質な胡蝶蘭選び
胡蝶蘭を購入する際、最も重要なのは良質な株を選ぶことです。長持ちさせる管理方法や次年度の開花について以前述べましたが、質の良い胡蝶蘭を選ぶことが根本的に重要です。
市場には、成長促進剤を使用して開花させたものや、長期間保管されているものなど、質の異なる胡蝶蘭が存在します。生花店のバイヤーは、長持ちする品質の良い胡蝶蘭を選ぶ際に、生産者の名前、葉の数や形、花の厚みなどを考慮しますが、これは豊富な経験がなければ難しいかもしれません。
そのため、生花店で購入する際は、一つの花に2〜3個以上の蕾がついているかをチェックすることをおすすめします。このような胡蝶蘭は、入荷後時間が経っていないことが多く、「ビニールハウスで最適な環境に保たれていた可能性が高い」ため、比較的長持ちすると考えられます。
胡蝶蘭の植え替えがおすすめ
胡蝶蘭の寿命を伸ばすためには、花が終わった後の植え替えが重要です。
長期間胡蝶蘭を育てることで、バークチップや水苔などの栽培材が老化し、カビや雑菌の発生しやすい状態になります。胡蝶蘭を健康に維持し、豊かに花を咲かせるためには、定期的な鉢の植え替えが必須です。
胡蝶蘭の寿命延長:植え替えについて
植え替えの最適な時期:植え替えの最適な時期は4月で、遅くとも6月までに行うことが推奨されます。
ただし、植物が病気の場合など、緊急の必要があるときはこの限りではありません。
夏や冬は株にストレスがかかるため、植え替えは避けた方が良いでしょう。花が咲いているときは、花が終わってから植え替えを行います。
根への負担を考慮して、植え替えは2年に1回程度に留めることが望ましいです。
胡蝶蘭の植え替えに必要な用具と材料
胡蝶蘭の植え替えを行う際には、以下のアイテムを準備する必要があります。
- 用土:水苔またはバークチップを用意します。バークチップは、アカマツやクロマツの樹皮を細かくしたもので、広範囲に敷きやすい特性があります。元々水苔で育てられていた胡蝶蘭でも、バークに植え替えることが可能です。
- 鉢:バークチップを使用する場合はポリポット鉢、水苔を使用する場合は素焼き鉢が適しています。鉢のサイズは胡蝶蘭の大きさに合わせて、4号鉢から5号鉢を選びます。寄せ植えを解体する場合は、株ごとに個別の鉢が必要です。
- 肥料:固形肥料を用意します。
- ハサミ:切断用にハサミを用意し、病気の感染を防ぐために消毒することが重要です。
植え替え作業では、ハサミや手の消毒を行い、可能なら新しい鉢を使用することを推奨します。
胡蝶蘭の植え替え手順
植え替えの準備ができたら、胡蝶蘭の植え替えを開始します。最初に、ハサミを使用して花芽を切り取り、取り除きます。次に、慎重に古い用土を取り除き、傷んだ根や黄ばんだ葉も除去してください。
水苔を用土とする場合、まず水で湿らせた水苔を根の周りに巻き付けます。鉢に株を入れた後、初めの15日から20日間は水やりを控え、その後は10日に1回、コップ1杯分の水を与えます。
バークチップを用土とする場合、最初にチップを一握り取り鉢に入れます。次に固形肥料を加え、その上にさらにバークチップを一握り敷き、肥料が根に直接触れないようにします。株を鉢の中心に置いた後、周囲にもバークチップを敷き詰めます。植え替え後の最初の7日間は水を与えず、その後は7日に1回、コップ1杯分の水を与えます。
胡蝶蘭の育て方 あるあるQ&A
・なぜ御祝ごとに胡蝶蘭を贈るのか?人気の理由
⇒会社設立や開店の祝いに胡蝶蘭を選ぶ人気の理由
会社の設立や店舗の開店祝いに胡蝶蘭が選ばれる理由は、その花言葉にあります。「胡蝶蘭」の花言葉には「幸福が飛んでくる」という美しい意味が込められています。また、「根付く」という性質から、事業や店舗が長続きするような願いを込めて贈られることが多いです。手間が少なくても2ヶ月以上美しい花を保つことができるのも、贈り物として人気の理由の一つです。
・胡蝶蘭の管理の要点は?
⇒亜熱帯原産の着生蘭である胡蝶蘭の適切なお手入れ方法
胡蝶蘭のケアについて、その原産地である亜熱帯の環境を考慮した具体的な手順を以下に示します。
- 胡蝶蘭を置く場所は、風通しが良く、人間にとっても快適な明るい室内が適しています。
- 水ゴケやウッドチップの乾燥状態を定期的にチェックし、適度に乾いているかを確認します。
- 週に1〜2回のペースで水やりを行います。
- 水やりの際に鉢皿に溜まった余分な水は必ず捨てます。
- 葉や花には適宜霧吹きで水を与え、湿度を保ちます。
・胡蝶蘭の水やの頻度やタイミングは季節によって違う?
⇒胡蝶蘭の季節別水やり方法
胡蝶蘭の水やりは季節に応じて頻度と量を調整する必要があります。
春・秋:
- 頻度:週に1回から10日に1回程度。
- 水量:各水やりで約200ml。
夏:
- 頻度:2~3日に1回程度。
- 水量:各水やりで約500ml。
冬:
- 頻度:月に1回程度。
- 水量:各水やりで約200ml。
乾燥している期間は、葉に霧吹きをして水分を補うことが推奨されます。水やりは可能な限り午前中に行い、水が鉢全体に行き渡るようにします。鉢の受け皿にたまった余分な水は定期的に捨てることが大切です。
・胡蝶蘭の寿命は?花が終わったら
⇒胡蝶蘭の花持ちと寿命について
胡蝶蘭の花は1ヶ月以上長く楽しむことが可能です。一つの鉢で多くの花を咲かせ、それぞれの花が異なる時期に開花するため、最終的な花が散るまでには最大3ヶ月程度の楽しみがあります。花が散ったり落ちたりしても、胡蝶蘭が枯れるわけではなく、適切なケアが行われれば何度も再び花を咲かせることができます。実際に、胡蝶蘭の寿命は50年以上に及ぶともされています。冬場外に出して放置するのはもったいないことです。
⇒胡蝶蘭の花茎の切り方
胡蝶蘭の株に付いている節を数え、下から4〜5節を残して、その上を斜めにカットします。花が咲いていた部分の直下を切るようにしてください。葉、根、株が健康な状態であれば、このカットした部分から新たに花を咲かせることが可能です。
・胡蝶蘭の花が終わった後はどうする?
⇒胡蝶蘭の花後の手入れ方法
胡蝶蘭の花が散った後、最初に行うのはしおれた花の除去です。それが終わったら、花茎の剪定を行い、次に植え替えをしてあげることが良いでしょう。適切な剪定を施すことで、場合によっては1〜2ヶ月後に再び花が咲く「二度咲き」を楽しむことも可能です。
・胡蝶蘭の花が咲き終わったらどうするの?
⇒胡蝶蘭の花の開花と手入れ
胡蝶蘭では、茎の根本から花が開花し始め、徐々に先端にある蕾が順番に咲いていきます。最初に咲いた花は時間が経つとしおれ始めます。しおれた花があれば、それを一つずつ丁寧に取り除いてください。この手入れを行うことで、胡蝶蘭を常に美しい見た目で保つことができます。
・胡蝶蘭の花が終わったらどこで切ればよい?
⇒「花茎を根本からカットしましょう」はうそ!
「咲き終わったら花茎の根本から切って下さい」とネットの記事をよく見かけます。しかし、これはでたらめな取り扱い記事ですから、本当に実行してしまったらほぼ次の花芽は出できません。必ず4~5節残した上で切りましょう。
・胡蝶蘭の花が終わったらどこに置いたらいい?
⇒夏季と冬季の胡蝶蘭の置き場所について
夏期間中は、胡蝶蘭を強い直射日光を避けた明るく通風の良い場所に設置します。冬の日中は、レースのカーテンを通して柔らかい日光が入る暖かい窓辺が適しており、夜間は日中との温度差が少ない暖かい場所が理想的です。
・胡蝶蘭は夏場どこに置くのがいい?
⇒夏季の胡蝶蘭の日陰での管理方法
夏の強い日差しの下で胡蝶蘭を屋外に置く場合、明るい日陰に置く、または遮光ネットや寒冷紗を使用して、日光を50~70%程度遮るようにしましょう。夏季は朝から夕方にかけて日差しが継続的に強いため、太陽の位置の移動に応じて、直射日光が胡蝶蘭に当たらないよう、遮光ネットの位置に注意が必要です。
⇒胡蝶蘭の水やり方法
胡蝶蘭の水ゴケが乾燥した際には、十分な量の水を与え、鉢の受け皿に溜まった余分な水は必ず捨ててください。根が完全に乾く前に少量の水を頻繁に与えると、根腐れが生じて植物が枯れる可能性があります。胡蝶蘭の適切な水やり方法は、「根が乾いた状態で水を与える」というサイクルを守ることが基本です。むしろ「水やり忘れていた」ぐらいの感じがちょうどいいかもしれません。
胡蝶蘭の長期間の楽しみ方について まとめ
これまでに、胡蝶蘭の長期的な楽しみ方を支えるための適切なお手入れ方法や植え替えの手順についてお話ししました。これらの育て方を実践して、胡蝶蘭の美しさを存分に楽しむことをお勧めします。
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