カマキリって、鋭いカマと大きな目が特徴的な、昆虫好きにはたまらない人気者だよね。ペットとして飼いたいって人も結構いるみたい。
そこで、今回はカマキリの育て方と注意すべきポイントを紹介するね。1年中生きられる昆虫じゃないから、なるべく長く生きられるように環境に気をつけてあげよう。
カマキリって、どんな昆虫か知ってる?
カマキリは「カマキリ目」に属する昆虫のことを指すよ。
日本中で見かけるけど、寒い場所は苦手だから北海道ではあまり見かけないらしい。
逆に、暑いところではたくさんいるよ。
日本にいる小さい種類は1.8cmくらいだけど、大きいものは9cm以上になるものもあるんだって。
カマキリは生きている獲物しか食べない肉食系だから、エサの準備がちょっと大変だけど、工夫すればペットにすることもできるよ。
ただ、成虫のまま冬を越せないから、日本の代表的なオオカマキリでも11月くらいが寿命なんだ。
ちなみに、カマキリの名前の由来は2つあるんだ。
一つは、あのカマみたいな前足からきてるって説(鎌切り)と、キリギリスに似てるから「鎌を持ったキリギリス」っていう説だよ。
◇カマキリのすごい身体能力
カマキリって、昆虫好きにとって昔から人気のある昆虫なんだよね。そのかっこいい見た目も魅力だけど、何よりもその高い身体能力が注目の的!
カマキリがなんで最強のハンターって言われるのか、意外と知られていないその能力を紹介するね。
■待ち伏せして鳥も食べる
カマキリは中国拳法の螳螂拳のモデルになるくらい戦闘力が高いんだけど、ライオンやトラみたいに獲物を追いかけ回すことはあんまりしないの。
むしろ、植物に隠れて息を潜める待ち伏せスタイルが得意なんだ。
肉食だから生きたものしか食べなくて、ハエや蝶だけじゃなくて自分より大きい生き物も食べちゃうんだよ。
スズメバチだってカマキリにとっては獲物。
トカゲやカエル、小鳥まで食べた記録もあるんだ。
■カマみたいな前脚
カマキリの最大の特徴は、カマみたいに変形した鋭い前脚だよ。
内側に小さなトゲがついていて、捕まえた獲物を逃さない。
獲物が近づいたら0.1秒で捕獲しちゃうの。
移動は中脚と後ろ脚を使うんだけど、細くて長い割には意外と丈夫で、滑りやすい場所でも爪と吸盤がついているからしっかりくっつける。
だから草の上でも獲物を捕まえられるんだよね。
■立体視ができる目
カマキリは左右に広がった目で立体視ができるんだ。
人間と違って、背景の明暗に関係なく動くものを見つけられるから、じっとしていても獲物との距離を把握できる。
目の表面はツヤツヤしていて正面から見ると見つめられているみたいに感じるけど、実際はたくさんの小さな六角形の目で動くものをチェックしているんだ。
狩りでは目が超大事だから、花粉とかで汚れると前足で目を洗う動作をするのが特徴だよ。
■超音波をキャッチできる耳
カマキリの耳は頭にはなくて、実は後脚の付け根あたりにあるんだよ。
すごく小さな切れ込みがあって、そこで2万ヘルツ超の音をキャッチしているんだ。
この耳のおかげで、天敵のコウモリが近づいてくるとすぐに回避できるの。
◇日本で見られるカマキリの種類
カマキリって世界に約2,000種類もいるんだけど、日本でよく見かけるのは「オオカマキリ」と「ハラビロカマキリ」なんだ。
サイズで比べるとすぐ分かるんだけど、オオカマキリはその名前通り大きくて、9cm以上の子もいるの。他にも見分け方がいくつかあるんだよ。
ちなみに、日本で一番大きいのはオオカマキリじゃなくて、沖縄にいるマエモンカマキリ。これ、オオカマキリの仲間って言われてて、10cm以上の大きさもあるんだ。
■オオカマキリとハラビロカマキリの違い
オオカマキリ:体長約7~9.5cmでスリム、鎌の付け根が黄色で後ろの羽が黒っぽい。
ハラビロカマキリ:体長約4.5~7cmでお腹が横に広く、鎌の付け根に黄色い突起があって羽に白い模様がある。
他にも日本で見かけるカマキリを紹介するね。
□チョウセンカマキリ 中国や朝鮮半島にもいるけど、日本の外来種じゃないよ。オオカマキリと似てるけど、体長が6.5~9cmくらいでちょっと小さめ。鎌の付け根がオレンジっぽくて、羽は全体的に透明なの。
□ムネアカハラビロカマキリ 2000年代に国内で初めて見つかった外来種。急速に広がってるって言われてるんだ。ハラビロカマキリにそっくりだけど、胸のあたりに赤黒い模様があるのが違い。
□コカマキリ その名前の通り小さいカマキリで、体長は最大でも5~6cmくらい。他の種類と比べると子供みたいに見えるんだ。体は茶色っぽいのが多くて、鎌には目玉みたいな模様があるよ。
◇カマキリの捕まえ方
カマキリを飼いたいなら、ペットショップで買うのが一番早いけど、野生の元気なカマキリをゲットするのもあり!
■カマキリがよくいる場所
バッタとかが多そうな草むらにいるよ。緑がいっぱいある郊外に行けば見つかる確率がアップするけど、近所の草むらでも見つけられるかも。よーく目を凝らして探してみて!
■カマキリを捕まえるのに必要なもの
特別な道具は必要ないよ。これさえあれば大丈夫:
虫かご(捕獲ケース) 軍手 網
必要なのは、カマキリを家まで持ち帰るためのケースくらい。素手で触りたくない人は軍手を使うといいよ。ケガ予防にもなるしね。枝とか高い場所にいることもあるから、網があると便利。
■カマキリの捕まえ方
首の後ろの胴体に近いところを持てば、鎌で攻撃されることもないし、カマキリを傷つけることもないよ。後ろ脚はすごくもろいから触らないようにしてね。力加減を間違えると取れちゃうことがあるから。羽のあたりも傷つけないように気をつけてね。
◇カマキリの餌と飼育環境
カマキリを手に入れたら、快適に長生きできるように環境を整えてあげよう。
まずは最低限、これを用意してね。
■飼育ケース
一般的な虫かごでOKだけど、狭すぎるのはかわいそうだから、余裕のあるサイズが理想。繁殖も考えてるなら、さらに広いタイプがおすすめ。
■止まり木(足場)
カマキリは脱皮を繰り返して成長するんだけど、安定した足場がないとうまく脱皮できなくて、最悪の場合死んじゃうことも。だから止まり木は必須だよ。
葉っぱ付きの枝がベスト。枝だけだと水滴がつきにくいからね。ケースの天井に届くくらいの長い枝が理想。枝が倒れないように瓶などに入れて固定するといいよ。でも、瓶に落ちちゃったら這い上がれないかもしれないから、脱脂綿でフタしておこう。
■草や石
絶対必要ってわけじゃないけど、自然に近い環境にしたいならあったほうがいいよね。カマキリを捕まえた場所にあった草や石を少し持ち帰って入れてみて。
■餌
バッタ、コオロギ、蝶、ハエなど 魚肉ソーセージ、かまぼこ、無糖ヨーグルトなど
生きてる虫をあげるのが理想だけど、毎日生き餌をあげるのが難しいなら、たまに人間の食べ物でもOK。
ピンセットでつまんでカマキリの口元で動かすと、生き物と間違えて食べるよ。
ヨーグルトは少し水を混ぜて、ティッシュや串の先につけると舐めてくれるかも。
個体によって好き嫌いがあるから、何が好みか試してみてね。
カマキリは大食いじゃないから、1〜2日に1回エサをあげれば十分だよ。
■飲み水
カマキリは空腹には強いけど、喉の渇きには弱いの。
ケースの止まり木に霧吹きをかけたり、水に浸したガーゼを置いたりして、水がなくならないようにしよう。
◇カマキリを卵や幼虫から飼う場合
カマキリを赤ちゃんから育てたいなら、産卵させるか自然にある卵を持ち帰って孵化させる必要があるよ。
■カマキリの産卵時期
オオカマキリは8月から11月頃に交尾・産卵するの。
秋の終わりに、ケースの止まり木とかにふわふわした塊があったら、それが卵だよ。
■卵の採集方法
1匹で産卵できなかった場合、自然にある卵を持ち帰るといいよ。木の枝や家の壁、石などいろんなところに卵を産むけど、採集には木の枝が一番おすすめ。
卵を傷つけないように枝ごと持ち帰って、瓶に入れて立てた状態で置いてね。採集は冬でもいいけど、赤ちゃんが生まれる直前、3月の終わり頃がベスト。
■カマキリの卵の特徴
小さい蜂の巣みたいなふわふわした泡のような形で、卵全体を「卵鞘」って呼ぶの。
中には3~5mmくらいの卵が100~300個も詰まっているよ。
卵の見た目は種類によって少し違うんだ。
オオカマキリの卵は大きくて薄茶色、ハラビロカマキリの卵は突起があって濃い茶褐色をしているよ。
■孵化時期
孵化に特別なことは必要ないよ。
卵鞘には保湿効果があるから、寒い冬でも赤ちゃんを守ってくれる。
4〜5月頃に一斉に孵化するけど、一つの卵鞘から数百匹も生まれるから、広めのケースが理想。
また、フタが甘いと簡単に脱走するから注意してね。
家の中がカマキリだらけになっちゃうかも!
■カマキリの幼虫の育て方
放置すると共食いするから、数匹ずつで飼ってね。
自然にあった卵を持ち帰った場合、育てられる数以外は元の場所に戻してあげて。
別の場所に戻すのはダメだよ。必ず元の場所に戻してね。
カマキリの幼虫のエサは成長段階で変わるよ。
生まれたての頃はアブラムシやコバエを食べるけど、成長するにつれてバッタやコオロギの幼虫も食べるようになるの。
生きた昆虫を用意するのは大変だけど、幼虫の大きさに合わせてエサも選んでね。
水を切らさないようにするのも忘れないで!
カマキリは成長が早いから、脱皮を繰り返して3か月もすれば立派な成虫になるよ。
■卵が孵化しない場合
カマキリの卵が孵化しない場合、すでに赤ちゃんが生まれた後か、何らかの原因で死んでしまった可能性があるよ。
さらに「カマキリカツオブシムシ」っていう別の虫に食べられていることもあるみたい。
孵化しない卵を見分けるのは難しいけど、色があせていたり穴がたくさん開いていたら採集しないほうがいいよ。
◇カマキリを飼うときの注意点
昆虫界最強のハンターって呼ばれてるカマキリだけど、飼育環境が悪いとすぐに弱っちゃうから気をつけて!
飼うときの注意点をまとめてみたよ。
■飼育温度は適温に
カマキリは寒さに弱いから、室内で飼うなら冷房のかけすぎには注意。飼育に最適な温度は20〜25℃くらいだよ。
温度だけじゃなく湿度も気をつけて。止まり木の葉っぱとか敷いてる草が乾燥しないように、適度に湿らせてあげてね。
■こまめに掃除をする
狭い飼育ケースにフンがたまると不衛生。
給水用に置いてるガーゼもフンだらけになるから、こまめに掃除してね。
床に敷いている草やわらも、できるだけ新しいものに交換してあげて。
掃除中にカマキリが飛んで逃げちゃうかもしれないから、別の容器を用意して、その間はそこに待機させておこう。
■エサをあげすぎない
カマキリは少食だけど、エサを与えると狩猟本能で際限なく食べちゃうこともあるんだ。
エサのあげすぎは体調を悪くする原因になるから、1〜2日に1回、最大でも2回で十分。
ただ、水分補給は大事だから、いつでも水が飲めるようにしておいてね。
■2匹を同じケースで飼わない
同じケースで2匹飼うと高確率で共食いしちゃうんだ。
エサを十分にあげていても、動くものを見たら狩りを優先する習性があるからね。
複数飼うならその数だけケースを用意してあげて。
オスとメスを交尾させるときだけ同じケースに入れて、交尾後はすぐに離してね。
オスがメスに食べられちゃうかも。
◇カマキリの飼育:Q&A
カマキリの飼育に関するよくある質問をQ&A形式でまとめたよ。
気になるものがあったら参考にしてみてね。
■Q.カマキリのお腹に寄生虫がいるって聞いたけど、人に害はないの?
□A.全部のカマキリにいるわけじゃないけど、「ハリガネムシ」っていう細長い虫が寄生していることがあるよ。でも人に害はないから安心してね。
ハリガネムシはカマキリの体内で成長して、水辺に誘導してから体を脱出するんだ。だからカマキリのお尻を水につけると、ハリガネムシが出てくることがあるの。
ペットのカマキリに寄生虫がいるのは嫌かもしれないけど、無理に出そうとするとカマキリが弱っちゃうこともあるから気をつけてね。
■Q.子どもがカマキリを飼いたがってるけど、臭いが気になる
□A.カマキリはカメムシみたいに強い臭いを出さない昆虫だから安心して。フンはするけど、掃除すれば問題ないよ。
■Q.同じ種類のカマキリなのに緑と茶色がいるのはどうして?
□A.同じ卵から生まれても、色が違うことがよくあるんだ。オオカマキリだと緑色と茶色が半々くらいで出てくるらしいよ。
詳しい理由は分かってないけど、葉っぱや木の色に合わせてカモフラージュするために、全部同じ色だと生き残る確率が下がるからっていう説があるの。
■Q.交尾後のオスは必ずメスに食べられちゃうの?
□A.必ずしもそうじゃないよ。交尾後にうまく逃げるオスもいるし、交尾前や交尾中に食べられるオスもいるんだ。メスはオスの頭から食べ始めるけど、オスは頭がなくても交尾を続けられるの。
ちなみに、運良く(?)逃げ切ったオスカマキリは、別のメスとも交尾する可能性があるよ。
◇さいごに
カマキリを標本にしたいって考えている人もいるかもしれないけど、ちょっと難しいんだ。
死んだ後すぐに色とかツヤが変わっちゃって、生きてた時のキレイさを保つのが大変だからね。
もちろん上手に標本にする方法もあるけど、ちゃんとした技術が必要になるよ。
カマキリは昔からほとんど姿が変わってなくて、まだまだ謎が多い昆虫なの。
前脚で顔を洗うしぐさや、首を伸ばしてキョロキョロする姿が人間っぽいって感じる人もいるみたい。
せっかくペットにするなら、なるべく長生きできるようにお世話してあげてね。