寸志に名前を書かないのはなぜ?その理由とマナーを解説
はじめに
職場や取引先へのお礼として用いられる「寸志」。感謝の気持ちを形にするさりげない心づけですが、封筒に名前を書くかどうか迷った経験はありませんか?この記事では、寸志に名前を書かない理由やマナーについて、わかりやすく解説します。
寸志とは?|意味と使われ方
「寸志(すんし)」とは、「わずかばかりの心づけ」「ほんの気持ち程度の謝礼」という意味を持つ言葉です。ビジネスシーンでは、部下やアルバイトへの慰労、結婚式などで目下の人へ贈るケースが多く見られます。
※目上の人に対しては「御礼」「謝礼」など別の表現を用いるのが適切です。
寸志に名前を書かない理由
1. 謙遜・控えめな気持ちの表れ
寸志とは、「ほんの気持ちばかりのお礼」という意味を持つ言葉。多くの場合、相手への敬意や感謝を表すために渡します。そこに自分の名前を大きく書いてしまうと、気持ちよりも“贈った人”の印象が前に出てしまうことがあります。そのため、あえて名前を伏せることで、控えめな気持ちを強調しようとするのです。
2. 相手への配慮
受け取った側が「お返しをしなければ」「きちんとお礼を言わなければ」と気を使いすぎるのを避けるため、名前を書かないという配慮もあります。匿名で渡された寸志は、純粋に感謝の気持ちとして受け取られるため、心理的な負担も軽くなります。
3. 組織としての贈り物
企業や部署など団体として寸志を贈る場合、個人名を書くと誰からの寸志なのかが曖昧になります。そのため、代表者の名前を書かず、「○○株式会社」「営業部一同」など、組織名のみを記載するケースが一般的です。
寸志の封筒マナーと注意点
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表書きは「寸志」または「御礼」
水引のある白封筒を使い、表には「寸志」もしくは「御礼」と丁寧に記載します。毛筆や筆ペンを使うとより丁寧な印象になります。 -
金額に見合った封筒を選ぶ
あまりにも立派すぎる封筒は、逆に相手に気を使わせてしまうことも。寸志はあくまで控えめな贈り物なので、封筒も簡素で上品なものを選びましょう。 -
職場の慣習に従うのがベスト
寸志のマナーは会社や地域ごとに異なる場合があります。周囲の慣例を事前に確認しておくと安心です。
まとめ
寸志に名前を書かないのは、謙虚さや相手への配慮から生まれたマナーです。自己主張を控え、感謝の気持ちを静かに伝える──それが寸志の本来のあり方といえるでしょう。形式にとらわれすぎず、気持ちを大切にする姿勢こそが何より大切です。