震災、自然災害、病気等「おめでとう」と言い難い方への年賀状はどううすればよい?

社会人として、自然災害や病気などで「おめでとう」と言いにくい状況にある相手に年賀状を送る際の書き方を理解しておくことは大切です。

ここでは、そういった特別な状況にある人への年賀状のマナーや文例についてご紹介します。

「台風や豪雨、地震など自然災害の被災者の方への年賀状」

「闘病中や入院中の方への年賀状」

「闘病中の家族がいる場合の年賀状」

上記のケースの場合を念頭に置いて、相手に配慮した年賀状の出し方を解説していきます。

困難な時期にある相手に対して、適切な挨拶をするためにも是非参考にしてくださいね。これは、新社会人としての配慮深さや思いやりを示す良い機会になります。

通常の年賀状の基本マナー

社会人にとって、年賀状の作成時に適切なマナーを守ることは大切です。

年賀状には「おめでたい」趣旨が込められているため、相手に失礼にならないようにすることが重要です。

以下では、年賀状の基本マナーについて解説します。

  1. 通常の年賀状マナー: 年賀状には賀詞、添え書き、年号の3つの要素が含まれます。
  2. 賀詞: お祝いの言葉で、目上の方には一文字や二文字の賀詞を避け、大きめの文字で書くことが望ましいです。災害や病気の方へは別の言葉に置き換える必要があります。(後ほどご紹介します)
  3. 添え書き: 挨拶文を指し、句読点を使わないことがマナーです。賀詞より小さく書くこともポイントです。
  4. 年号: 「元旦」という表現には注意が必要です。元旦は1月1日の朝を指すため、「一月 元旦」や「一月一日 元旦」は誤った表現になります。正しい使用例としては、「令和○○年一月一日」や「202×年 元日」となります。

これらのポイントを押さえておくことで、マナーを守りながら適切な年賀状を作成し、送ることができます。これは、新社会人としての礼儀正しさを示す良い機会になります。

「NGワード」について

皆さんが年賀状を書く際に注意すべき、使うべきではない言葉、すなわち「NGワード」について把握することは大切です。

年賀状は基本的にお祝いごとを伝えるものなので、不適切な表現は避ける必要があります。

  1. 「忌み語」の避け方: 一般的に、結婚式のスピーチなどで避けるべき言葉、いわゆる「忌み語」は年賀状においても同様に避けるべきです。特に以下のような言葉は含めないようにしましょう:
    • 去る
    • 失う
    • 滅びる
    • 別れる
    • 終わる これらの言葉は終わりや別れ、死を連想させるため、年賀状では不適切とされます。
  2. 一般的な表現の間違い: 年賀状において一般的に使われがちな表現でも、間違った使い方をしている場合があります。例えば、
    • OK:昨年、旧年
    • NG:去年(「去る」という字が入っているため)

    このように、言葉選びには特に注意が必要です。年賀状は相手に対する敬意と祝福の気持ちを伝えるものであるため、言葉選びには慎重になることが求められます。

配慮深い年賀状の作成ポイント

新年の挨拶を贈る際、特に災害や病気、怪我を経験された方へは、通常のお祝いのニュアンスを含む言葉を避け、配慮深く年賀状を作成することが求められます。

ここでは、そうした状況にある方へ向けた年賀状の作り方についてお伝えします。

  1. 「おめでとう」という言葉を含まない: 災害や病気などで苦しい時期を過ごしている方への年賀状では、「おめでとう」という表現は控えましょう。代わりに、相手の幸福や健康を心から願う言葉を使うと良いでしょう。
  2. 避けるべき賀詞の例:
    • 「祝」
    • 「寿」
    • 「福」
    • 「賀」
    • 「春」
    • 「禧」
    • 「慶」
    • 「瑞」
    • 「祥」
    • そして、「おめでとう」や「happy」も含めません。

    これらの漢字や言葉が含まれる文は避けることが望ましいです。

  3. 代替えの表現を使う: 一般的な「迎春」や「賀正」なども、「春」「賀」といった漢字が含まれているため、適していない可能性があります。代わりに、「新年の安らぎをお祈りします」や「一日も早い回復を願っております」など、相手を思いやる言葉を選ぶことが大切です。

このような配慮をもって年賀状を作成することで、相手に配慮した心遣いを示すことができ、新社会人としての成熟度を表現できます。

被災した方・病気や怪我の方への配慮ある年賀状の作り方

作成ポイント

年賀状は相手の状況を考慮して作成することが大切です。

特に被災された方や病気、怪我をされた方への年賀状では、以下の要素を選択し組み合わせることで、心遣いを示すことができます。

以下の例を参考に、丁寧な年賀状を作成してみましょう。

  1. 賀詞に代わる言葉:
    • いかがお過ごしですか
    • 旧年中は大変お世話になりました
    • 新年(年頭・年始)のご挨拶を申し上げます
    • 一陽来復(災難が去り、幸運が訪れることを願う言葉)
  2. 添え書き:
    • 希望があふれる一年になりますように
    • 平和で穏やかな一年になりますように
    • 幸多き年でありますように
    • 平和な一年でありますように
    • 新しい年が明るい年でありますように
  3. 年号:
    • 令和○年一月一日
    • 令和○年元旦
    • 20○○年1月1日
    • 20○○年元旦

このように、賀詞、添え書き、年号をうまく組み合わせることで、相手への配慮が伝わる年賀状はつくれます。このような配慮ができると、周囲からの印象も良くなるでしょう。

被災された方への配慮ある年賀状の例文

地震、津波、豪雨等の被災された方に向けて年賀状を送る際は、その表現に特別な配慮が必要です。

以下に、被災された方への思いやりを込めた年賀状の例文を3つ紹介します。これらの例文は、そのまま使うことができ、被災された方への適切な挨拶となります。

  1. 新年のご挨拶:
    • 新年を迎えるにあたり、先日の大災害に心からのお見舞いを申し上げます。新しい年の幕開けにあたり、心よりご挨拶申し上げます。令和○年一月一日
  2. 年初のご挨拶:
    • 今年の復興と発展を心から願っております。新たな年の始まりに、心よりご挨拶申し上げます。令和○年元旦
  3. お見舞いの言葉:
    • 落ち着いた日常への早期の回復を心から祈念しております。新年にあたり、心よりお見舞い申し上げます。20○○年1月1日

このような例文を参考に、被災されたの方への配慮を示す年賀状を作成することができます。心温まるメッセージが伝わるよう心を込めて書きましょう。

身内に闘病者がいる場合の年賀状の対応方法

身内が闘病中の際の年賀状の取り扱いについては気になる方も多いことでしょう。以下では、そのような状況での適切な対応を考えてみましょう。

寒中見舞いで返信する

身内が深刻な病状にある場合、新年を祝う気持ちになれないかもしれません。その場合、年賀状は無理に出す必要はありません。

届いた年賀状に対して、状況が許せば寒中見舞いで返信すると良いでしょう。

相手によって内容を変える

闘病中であっても病状が安定し、精神的に余裕がある場合は、状況を知らない方には通常通りの年賀状を送ることができます。

一方、状況を知っている方には、病状の様子や回復の進捗を簡潔に伝えると、相手も安心するかもしれません。

年賀状を辞退する場合

重篤な状況の場合、年賀状を考える余裕がないこともあります。年が明けてから状況が落ち着いた際に、寒中見舞いを出すのも一つの方法です。

しかし、心に余裕がなければ、年賀状を辞退することも大事です。必要ならば、自身の心が落ち着くまで待つのが良いでしょう。

新春の寒中見舞いを出す際の例文

わかりやすいように、年賀状に対して寒中見舞いで対応する際の例文をご紹介します。

この参考文例は、届いた年賀状に対する礼状として使うことができます。

  1. 年初のご挨拶に感謝を示す文例:

    「謹んで寒中のご挨拶を申し上げます。新年の初めにお送りいただいた暖かいご挨拶に、心より感謝申し上げます。遅ればせながら、皆様のご健康と幸福をお祈りいたします。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。」

    令和○年 〇月

  2. 新年の感謝と健康を願う文例:

    「年頭に心温まるご挨拶をいただき、誠にありがとうございました。遅くなりましたが、新しい年の皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もどうぞ変わらぬご交流を賜りますよう、お願い申し上げます。」

    令和○年〇月

これらの文例は、形式にとらわれず、相手に対する感謝の気持ちと新年の祝福を伝えるために役立つと思います。

また、闘病中の身内がいる場合でも、これらの文例を使うことで、相手に適切な対応ができることでしょう。

まとめ

過去に起こった大規模な災害の際、多くの場所で「自粛ムード」が見られました。

しかし、被災地からは「日常生活を続けてほしい」「特別な自粛は必要ない」という声も聞かれました。

このことから、年賀状を送る際も、適切な言葉遣いと配慮を心がければ、相手に失礼になることはないでしょう。

一方で、自分自身が被災したり、病気などで困難な状況にある方もいるかもしれません。そうした状況で年賀状を出す気になれない場合は、無理せず休むことも大切です。

一方、長い間直接連絡を取っていないが年賀状のやり取りだけは続けている方もいるでしょう。年賀状は日本の伝統であり、人と人とを繋ぐ手段です。

迷ったときこそ、年賀状を通じて思いやりを伝えるのも良いかもしれません。

皆さんも、この機会に年賀状の大切さを再認識してみてはいかがでしょうか。

 

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