育てやすいことから室内のインテリアとしても人気が高まっているサボテン。
サボテンは一般的に砂漠や荒地での生育をイメージされることが多いですが、美しい花を咲かせる種類も存在します。
花を咲かせるサボテンの種類には、エキノプシスやマミラリアなどがあり、それぞれに美しい花を咲かせる特徴があります。
この記事では、サボテンが花を咲かせるためのポイントをご紹介します。サボテンの花を咲かせるためにはコツがあります。
ポイントを抑え、適切な環境を整えることで、サボテンは美しい花を咲かせることが期待できます。サボテン栽培の際の参考にしてみてください。
「サボテン」とはどんな植物?
サボテンとは、サボテン科に分類される植物群の総称で、特に北アメリカや中央アメリカに自生する約2,000種類以上の様々な植物を含みます。これらの多くは、乾燥した環境に適応した多肉植物です。
サボテンは、独特な生態と構造を持つ植物です。多くの種類が存在し、その多くは厳しい砂漠のような環境で育つため、非常に強い日差しと極端な乾燥に耐える特性を有しています。
自身を守るために発達したトゲを持ち、水分を貯蓄するために葉や茎が肉厚になるなど、特異な形状をしています。
サボテンのトゲが生える部分、刺座(アレオーレ)は、ふわふわとした綿毛のような見た目をしています。この刺座の存在はサボテンの特徴であり、多肉植物との区別点となっています。そのため、この刺座の有無を見ることで、サボテンと他の多肉植物を見分けることが可能です。
サボテンの花は咲くとラッキーなの?
サボテンの花は、その種類の豊富さに比例して多様性に富んでいます。
サボテンの品種によっては定期的に花を咲かせるものもあれば、花を咲かせない種類も存在します。
また、花が咲く周期も品種によって異なり、数年に一度だけ咲くものや開花に長い時間を要するものもあります。
咲いた際の花の色や形は多岐にわたり、一つ一つのサボテンが個性的な美しさを持っています。
サボテンの開花時期は?
サボテンの開花時期は品種によって変わりますが、一般的に春から夏にかけての期間に花を咲かせる種類が多いです。
これらの特性を考慮し、サボテンを選ぶ際にはその花の特徴や開花時期を参考にすると良いでしょう。
サボテンの花言葉
花が咲くサボテンの種類
サボテンは2,000種類以上存在し、花を咲かせる品種も多くあります。特に花が咲くサボテンは、魅力的な見た目と花の美しさで人気があります。以下に、花を咲かせる代表的なサボテンの品種を紹介します。
シュルンベルゲラ属
シュルンベルゲラ属に属するサボテンは、その特徴的な平たい葉の端に鮮やかな花を咲かせることで知られています。クリスマスシーズンに合わせて市場に出回ることが多く、そのため「クリスマスカクタス」という愛称で親しまれています。住宅の入り口やリビングルームなど、室内装飾としても人気です。
シュルンベルゲラ属の中でも、特に知名度の高い品種にはシャコバサボテンや蟹葉サボテンがあります。これらは短日長植物であり、日が短くなる秋から冬にかけて美しい花を開花させる特性を持っています。その色彩の豊かさと美しさから、サボテン愛好家の間で高い人気を誇っています。
マミラリア属
マミラリア属のサボテンは、その白くふわふわとした棘が特徴で、まるで雲を思わせる外観をしています。この属のサボテンは春に美しい花を咲かせることで知られ、高温多湿を苦手とするため、夏期は涼しく風通しの良い場所での育成が推奨されます。
この属に属する代表的な品種としては、金松玉、白玉殿、希望丸、月影丸などが挙げられます。それぞれが独特の丸みを帯びた形状と魅力的な花を持ち、日本国内でも親しまれています。例えば、金松玉はその名の通り球状のフォルムが特徴で、愛らしいクリーム色の花を咲かせることで知られています。また、白玉殿は白い綿状の棘にピンクの花が映える美しい品種です。
コリファンタ属
コリファンタ属のサボテンは、そのゴツゴツした外観と突起が特徴的で、まるで岩山のような印象を与えます。多くの品種で、頭頂部が白い綿毛に覆われているのが特徴です。この属のサボテンは大きな花を咲かせることで知られており、その美しさから人気が高く、価値のある種類としても認識されています。
代表的な品種としては、象牙丸、大祥冠、天司丸、獅子奮迅などが挙げられます。これらの品種名には力強さや威厳を感じさせるものが多く、それぞれが大輪の花を咲かせることで知られています。このため、コリファンタ属のサボテンを栽培することは、その美しい花を楽しむという大きな喜びをもたらします。
エキノプシス属
エキノプシス属のサボテンは、日本に長く伝わっている品種で、「ウニのような」という意味を持つ「エキノ」という名称が付けられています。その名の通り、ウニを思わせる独特の外見が特徴です。エキノプシス属には、多くの品種が存在し、現在までに159種類が確認されています。
この属には、短毛丸や大豪丸、世界の図、花盛丸など、いくつかの代表的な品種があります。これらの品種は外見が似ていることが多く、しばしば混同されることがあります。
中でも短毛丸は特に人気が高く、初夏の早朝に美しい白い花を開花させることで知られています。その他の品種も、それぞれにユニークな特徴と魅力を持っており、サボテン愛好家の間では高い評価を受けています。
パロディア属
パロディア属のサボテンは、外観がマミラリア属に似ていることがあります。特徴的なのは、イボ状の球形をしており、多くの品種では棘が鈎のように曲がっていて、濃い灰色の細い針で覆われています。この属には多くの品種が存在し、中には目を引く色鮮やかな花を咲かせるものもあります。
パロディア属に属する代表的な品種としては、銀粧玉、雪晃、ワラシーなどが挙げられます。これらの品種は、株の中心から花の蕾が噴火する溶岩のように出現し、1番花から順に何回かに分けて咲くことが特徴です。健康な株では、3番花まで開花を楽しむことができます。これらのサボテンは、そのユニークな外見と美しい花で多くの愛好家に親しまれています。
オプンチア属
オプンチア属のサボテンは、特徴的な平たい茎を持つウチワサボテンとして知られています。この属のサボテンは、その茎の表面と裏面に鋭い棘を持つことで有名です。この種族は成長が速く、頑丈であるため、サボテン栽培が初めての人にもおすすめです。
オプンチア属の中でも特に知られている品種には、金烏帽子や銀狐などがあります。これらの品種は、平らでユニークな形状の茎を持つことからその名がつけられました。また、この属のサボテンは茎の先端から鮮やかな花を咲かせることで知られており、その美しさから多くの愛好家に親しまれています。
レブチア属
レブチア属のサボテンは、その小さく愛らしいサイズと、サボテン全体を覆い尽くすような豪華な花が特徴です。
この属のサボテンは、他のサボテンに比べて寒さに敏感なので、気温が3度以下になる日には室内で管理することが推奨されます。
この属には、宝山やマルソネリィ、緋宝丸、紫影丸といった代表的な品種があります。これらのサボテンは、それぞれ独特の花の色合いや形状を持ち、その華やかさで多くのサボテン愛好家の目を楽しませています。彩り豊かで美しい花を次々と咲かせるレブチア属は、サボテン栽培の魅力を存分に感じさせてくれる品種群です。
ペレキホラ属
ペレキホラ属のサボテンは、その独特の外観とゆっくりとした成長速度から、サボテン愛好家の中でも特に経験豊富な人々に好まれる種類です。
この属に属するサボテンの苗や種は市場であまり見かけないため、希少価値が高いとされています。
この属の代表的な品種には、銀牡丹、精巧丸、バラ丸などがあります。これらのサボテンは、虫の幼虫や卵に似た、重なり合う独特な形状を持っており、そのユニークな外見はサボテン愛好家の間で高く評価されています。ペレキホラ属は、サボテンコレクションにユニークな一面を加えるのに適した選択肢です。
ネオポルテリア属
ネオポルテリア属のサボテンは、最近になって新たに分類された種類で、成長速度は比較的遅めですが、育てるのはそれほど難しくありません。
この属の特徴的な点は、その品種によって異なりますが、一般的にはあごひげを思わせるような特有の棘を持っています。
この属に属するいくつかの代表的な品種としては、白翁玉、銀翁玉、暗黒玉などが挙げられます。これらのサボテンは、花にその特徴が現れており、サボテンとしては珍しい筒状の形をしています。花の根元が黄色く、ピンクや赤などの色鮮やかな花を咲かせることで知られています。
ネオポルテリア属は、サボテン愛好家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
サボテンの花を咲かせるためのコツ
サボテンの栽培は一般的に容易ですが、開花を促すためには特定のポイントに留意する必要があります。以下では、サボテンの開花をサポートするための基本的なコツを説明します。
サボテンの休眠期間中の水やりの制限
サボテンは品種によって開花の時期が異なります。開花時期に合わせて、休眠期間を設定します。例えば、春や夏に花を咲かせるサボテンは、冬に休眠期を持ちます。この休眠期間中は、サボテンに水をあまり与えず、寒さから守ることが重要です。これにより、サボテンが自然のサイクルに従って健全に成長し、開花の準備を整えることができます。
十分に日光に当てることが大事
サボテンの育成には十分な日照が必要です。サボテンは風通しの良い、日光が適度に当たる環境を好むため、適した場所を選んで配置することが大切です。サボテンを配置する場所を決める際には、植物が好む条件を考慮して慎重に選びましょう。
また、サボテンは頻繁な移動を好まない傾向があるため、栽培場所を一度決めたら、可能な限りその場所に留めておくことが望ましいです。
定期的な植え替えが必要
サボテンは遅成長な植物であり、品種によっては地中でしっかりと根を広げてから、徐々に茎を成長させます。外観上のサイズが大きく変わらない場合でも、土の密集や養分の不均衡を防ぐために、定期的に植え替えを行うことが重要です。
植え替えはサボテンの健康を保つために欠かせない手入れの一つであり、新しい土に植えることで栄養を均等に供給し、根系の健全な成長を促進します。
サボテンの花が咲かない原因は?
サボテンを丁寧に育てているにも関わらず、花が咲かないことがあります。この場合、いくつかの原因が考えられますので、それについてご説明します。
サボテンそれぞれの品種の特性を理解していない
サボテンを育てていても、その特性に気づかず花が咲いたことがないと感じることがあります。
サボテンは品種によって特徴が異なり、中には開花までに長い時間を要するものや、夜間にのみ開花するものも存在します。
また、咲いた花が数時間で散ってしまう場合もあるため、開花を見逃している可能性もあります。
それぞれの品種の特性を理解し、適切に栽培することが大切です。
日当たりが十分でない
サボテンは日光を好む植物で、十分な光がなければ健康的に成長せず、花を咲かせることも難しいです。適切な日光を確保してあげることが重要です。
ただし、過度な直射日光はサボテンに日焼けを引き起こす可能性がありますので、日光の量は適切に調整する必要があります。
日当たりの良い場所に配置することで、サボテンが元気に育ち、美しい花を咲かせる可能性が高まります。
水やりのバランスが不適切
サボテンの健康な成長には、適切な水やりが重要です。
サボテンは自然に水分を蓄える能力があるため、過剰な水やりは不要ですが、土の乾燥を過度に放置すると、サボテンも枯れてしまう恐れがあります。
適切な水やりのタイミングは、土が完全に乾いた後です。定期的に土の状態を確認し、必要に応じて水を与えることが大切です。
水やりのバランスを適切に保つことで、サボテンは健やかに育ち、花を咲かせる可能性が高まります。
根詰まりや根腐れの可能性がある
サボテンの健康な成長を維持するためには、定期的な植え替えが重要です。
サボテンは、まず根を広げてから茎を成長させるため、長い期間同じ鉢で育てると根詰まりが起こることがあります。
年に一度程度の植え替えを行うことで、根詰まりや根腐れを防ぎ、サボテンの健康を保つことができます。さらに、植え替えによって土の状態も改善され、サボテンの成長に適した環境を維持できます。
定期的な植え替えは、サボテンが活発に成長し、花を咲かせるためにも効果的です。
温度が高すぎる
サボテンが花を咲かせるためには、適切な休眠期の管理が重要です。
多くのサボテン種は、適度な低温環境に置かれることで、休眠期を経て花を咲かせます。そのため、休眠期間中はサボテンを比較的涼しい場所に置く必要があります。
温かすぎる環境、例えば暖房が効いた室内やビニールハウス内では、サボテンが必要とする休眠が妨げられ、結果的に花を咲かせないことがあります。
冬の寒い時期でも、サボテンのためには室温が高すぎない環境を用意することが大切です。
株が十分に成長していない
サボテンが開花するためには、株の成長が必要です。
特に、月下美人のような品種は、株が十分に成長するまでに5年程度かかることがあります。サボテンの花を早く見たい場合は、成長速度が比較的早い品種を選ぶことが重要です。
購入する前に、それぞれのサボテンの成長速度や開花までの期間について調べてみると良いでしょう。そうすることで、より早くサボテンの美しい花を楽しむことが可能になります。
サボテンの花が咲かない天敵害虫と対処法
サボテンは丈夫な植物ですが、カイガラムシやネジラミなどの害虫に注意が必要です。これらはサボテンだけでなく、多肉植物にもよく見られる害虫です。
カイガラムシ
カイガラムシは、その名の通り硬い殻を持ち、サイズや色も様々です。サボテンの栄養を吸い取ることで被害を与えるだけでなく、他の病気を引き起こすこともあります。これらを取り除くには、ピンセットなどを使って一つ一つ丁寧に除去する必要があります。ただし、硬い殻のため、一般的な殺虫剤では効果がないことが多いです。
ネジラミ
ネジラミは、サボテンの根につく隠れた害虫で、外からは容易には見つけられません。サボテンが元気がなくなっているが、表面には害虫の痕跡が見えない場合、根元を調べることが重要です。サボテンを慎重に掘り起こし、根を確認してください。根に変色や異常が見られる場合は、ネジラミが原因の可能性があります。この場合、ネジラミに効果的な殺虫剤を使用して駆除することが推奨されます。
まとめ
サボテンは、2000以上の種類が存在する頑丈な多肉植物で、その中には華やかな花を咲かせるものも多くあります。
そのため、家庭での栽培愛好者が増え、室内装飾にもよく用いられています。
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