「咳が止まらない・長引く咳・止まらない咳」症状には注意!

風邪だと思っていたけれど、咳がずっと続いていて。特に階段を登る時や人前で話す時に咳が出てしまって、本当に手に負えない。もしかすると、これは風邪以外の何かかもしれない。どうしたら落ち着くのだろう?

咳が2週間以上持続する場合、風邪の可能性は低い

咳が2週間を超えても収まらない場合、それはただの風邪とは異なるかもしれません。

風邪のほとんどはウイルスが原因で、体の免疫システムがこれを克服し、休息を取ることで自然に回復します。

しかし、細菌感染による風邪は、一般的な風邪よりも症状が悪化することがあり、この場合は抗生物質による迅速な治療が可能です。

したがって、咳が2週間以上続く、あるいは初週から夜も眠れないほどの激しい咳が見られる場合、風邪以外の何かを示唆している可能性があります。

肺がん、結核、間質性肺炎、心不全などの深刻な疾患が原因であることもあり、その場合は呼吸器専門の医師の診察を受けることを勧めます。

医療機関では、問診や聴診、肺機能テストを行い、肺の健康状態を評価します。血液検査、レントゲン、CTスキャンなどを通じて、深刻な疾患の早期発見と治療への道を開くことができます。

迅速な治療が望まれる「咳喘息」

最近、持続する咳の背後にある一因として目立ってきているのは「咳喘息」です。

咳喘息は、気管支喘息へ進行する直前の段階とされ、放置すると約3分の1の人が気管支喘息に進展する可能性があるとされています。気管支喘息は治りにくい疾患で、毎年約1800人がこの病気で亡くなっています。そのため、早期に咳喘息を治療することが推奨されます。

咳喘息の特徴は、気道の粘膜が継続的に炎症を起こしている状態で、ほこり、湯気、冷たい空気、香り、花粉など少しの刺激にも強く反応し、激しい咳が出やすく、止まりにくいことです。風邪が引き金となることが多く、花粉、気候の変化、疲れやストレスも原因となり得ます。花粉症や食品添加物、PM2.5の影響で発症するケースも増加しています。

咳喘息をそのままにしておくと、気管支や肺が硬くなり、気管支喘息への移行リスクが高まるだけでなく、肺機能の低下も招きます。しかし、専門医の治療を受ければ改善が見込め、肺機能も回復することがあります。長引く咳には早期の発見と治療が重要であり、専門医の診察を受けるべきです。

「喫煙関連肺疾患」として知られるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)

「喫煙関連肺疾患」として知られるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、持続する咳の増加原因の一つです。

この病気は、タバコの煙や大気汚染による有害物質の吸入が原因で、肺に炎症を引き起こし、肺機能の低下につながり、最悪の場合は生命の危険をもたらします。

喫煙者の中では約15~20%がこの病気にかかるとされ、特に喫煙量が多く、長期間の喫煙歴を持つ人々において重症化する傾向にあります。

40歳以上の成人で、約8.6%、つまり530万人がこの病気であると推定されていますが、自覚症状がないために病気が認識されず、治療を受けている人が少ないのが現状です。

病の初期段階では、階段を上る際の息切れや持続する咳、痰の症状が軽視されがちで、「喫煙による一時的な息苦しさ」と考えてしまうことが多いです。

しかし、実際に医師の診断を受ける時点で、既に炎症が進行し肺機能が顕著に低下している場合があります。

喫煙を止め、早期に適切な治療を開始すれば、日常生活の質を維持し、寿命を延ばすことが可能です。

喫煙者で持続する咳が気になる方は、呼吸器専門医に相談し、肺の健康状態を調査することを勧めます。

禁煙外来では、喫煙の欲求を減少させる薬やニコチンパッチを利用して、禁煙過程をサポートすることもできます。

風邪以外のせきなのか?

咳が長く続く場合、それはただの風邪ではない可能性があります。

咳の性質やそれ以外の伴う症状を以下の項目でチェックしてみることをお勧めします。

□気候の変化で咳が悪化する□夜や就寝時に咳が頻繁に起こる

□早朝、特に咳で目覚めることがある

□冷気を感じた時に咳が起こる

□話している最中に咳をする

□エアコンの風で咳が出る

□湿った空気や蒸気で咳が発生する

□一度咳が始まると止まりにくいが、咳が出ない時は完全に静か

□階段を昇降する際や軽い運動で息苦しさを感じる

□同年代の人たちと歩くのが困難

□息が苦しく、ゼーゼー、ヒューヒューという音がする

これらの症状のいずれかに該当する場合、風邪以外の何かが原因である可能性が高いです。この場合、専門の呼吸器科医の診察を受けることを推奨します。

持続性咳嗽の予防及び管理方法

持続する咳が体力を奪うことは、一回の咳で約2キロカロリーのエネルギーが消費されるとされ、100回咳をすれば200キロカロリーを消費します。これは30分間の軽いジョギングと同等のエネルギー消費です。特に夜間に咳が止まらない場合、睡眠不足が慢性化し、体力の低下につながります。

咳が長引く場合には医療機関での診察や治療が必要ですが、ここでは咳が起こる際の対応策や、咳を予防する方法についてもいくつか提案します。

せき止めにはハチミツとコーヒーが有効

咳の緩和と睡眠の質向上にはハチミツが効果的です。

研究によると、ハチミツの抗炎症と抗酸化の特性が咳を軽減するのに役立つことが示されています。

ただし、1歳未満の乳幼児にはボツリヌス症のリスクがあるため、使用は1歳以上の子供からとなります。

また、コーヒーには咳の予防に有効な成分が含まれています。

具体的には、カフェインが気管支の拡張と炎症の軽減に寄与するため、コーヒーの摂取は喘息の症状緩和や喘息発症リスクの減少に結びつくとの研究結果もあります。

朝に濃いコーヒーを2杯飲むことや、1日に3杯以上のコーヒー摂取が喘息を持たない人に比べてリスクを減らすと報告されています。

咳に苦しんでいる時は、ハチミツを舐めるか、ハチミツを加えたコーヒーを飲むことが推奨されます。

温度と湿度の調整が重要

ウイルスは乾燥した環境で活発になります

。例えば、インフルエンザウイルスは気温が26度で湿度が50%の時には活動が抑えられることが知られています。

このような温度と湿度を維持すれば、風邪を引きにくくなる可能性があります。

温度を調整することは外の気温に依存するため、咳の予防には直接的ではないかもしれませんが、湿度は加湿器を使って調整することができます。

特に、湿度が下がりがちな11月から3月の間は加湿器の使用が推奨されます。

うがいとマスクによる予防措置

風邪予防の基本は、ウイルスや細菌の体内への侵入を避けることであり、これは咳の予防にも役立ちます。

うがいは、水だけで行うのが最も効果的です。

うがい薬の使用は、正常な細菌群も除去してしまうため、喉の腫れや痛みがある時に限定して使用するべきです。

また、マスクは咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐために有効で、風邪を持っている人も持っていない人も、互いにマスクを着用することで感染の拡大を防ぐことができます。

歯磨きが予防に役立つ

就寝中には口内の細菌が増加するため、咳の原因となる細菌が体に入り込むことがあります。

このため、寝る前と起床直後の歯磨きが推奨されます。

インフルエンザを含む様々なウイルスや細菌の感染予防に効果的です。

食事の後の歯磨きも重要で、特に起床時と就寝前を含む日に4回以上の歯磨きが望ましいです。

肺の機能向上のための呼吸筋伸展

胸筋の伸展を通じて、肺機能を向上させる方法があります。

実践方法は次のとおりです。

手を頭の後で組み、ゆっくりと鼻から深呼吸する。

息を口から徐々に吐き出しながら、手を天井に向けて伸ばし、体を伸ばす。

首を前方に押し出しながら、腕を後ろに引き、息を完全に吐き出す。

このストレッチにより胸部が広がり、より多くの新鮮な空気を吸入でき、酸素が全身に供給され活力が増します。仕事や家事の休憩時間に実施してみてください。

 

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